贈り物に掛けてお祝いや感謝の気持ちを表すのし紙。一口にのし紙といっても水引の結び方、色や本数、のし紙の掛け方など、場合によって様々な使い分けをするもの。「この場合はどんなのし紙を掛ければいいんだろう…?」そんな疑問、解決していきたいと思います!
▪「のし紙」って??
古来、贈り物には贈る理由と贈り主を記入した「掛け紙」を掛け「水引」でくくり、掛け紙の右肩に縁起物の「熨斗(のし)」を添えていました。現代ではこの習慣が簡略化され、「掛け紙」に「水引」と「熨斗」が印刷された紙を「のし紙」と呼ぶようになり、贈り物に掛けて使われるようになりました。
▪水引を選ぶ
【水引の結び方】
①蝶結び(花結び)
解いて結び直せることから「何度あってもよいこと」に用いられます。出産祝い、出産内祝い、子供の祝い事、長寿祝い、新築祝い、引っ越しの挨拶、お中元、お歳暮、その他一般的なお祝いやお礼などに使われます。
②結び切り
一度結ぶとほどけないことから「一度きりであってほしいこと」に用いられます。結婚祝い、結婚内祝い、お見舞い、快気祝いなどに使われます。
※お見舞いの場合には右肩に「のし」が印刷されていないものを使用します。
【水引の本数】
水引を結ぶ時の本数は「奇数」です。これは中国古来の「偶数は陰、奇数は陽」という陰陽説から来ていると言われています。そういった意味合いから現在の水引の本数は5本または7本がほとんど。7本の方が本数が多いことから、より丁寧な意味合いを持っています。
ただし、婚礼関係には10本の水引を使用します。
出典:通販ギフト生活.jp
これには5という数字が手のひらを表しているという説があります。結婚するもの同士の両手をしっかりと結び合い、決してほどくことのできない強い縁にするという意味を表しているそうです。
【水引の色と結び方の組み合わせ】
お祝い事への贈り物の場合「赤白」「金銀」「赤金」などの色が用いられます。
よく使われる色と結び方の一例をご紹介します!
・赤白×蝶結び(花結び)=お祝い事全般
・赤白×結び切り=お見舞いや快気祝いなど
・赤白×結び切り10本=婚礼関係
▪のし紙の掛け方
▼内のし
包装紙の内側にのし紙を掛ける方法。包装紙に表書きが隠れるので、控えめな表現にしたい内祝いやお返しをする際などは内のしです。また、宅急便で贈り物をする際には配送途中でのし紙が傷つかないように内のしが適切です。
▼外のし
包装紙の外側にのし紙を掛ける方法。贈り物を渡すときに表書きがはっきりと見えてどんな目的で贈ったかが一目で伝わるので、結婚や出産祝いなどに向いています。
のし紙が包装紙の内外どちらに掛けられているのかによって名称が異なります。ただし掛け方に決まりがあるというわけではありません。地域によって異なることもあるそうです。例えば関西では内のしが主流だそうで、私も内のしを見かけることが多いです。のし紙を掛けることが感謝やお祝いの気持ちを表す姿勢にとっては大切なこと。違いを理解したうえで使い分けていけたらいいですね。
▪表書きと名前の書き方
①表書きの書き方
毛筆で書くのが正式で、万年筆やボールペンを使うのは避けます。楷書体で書くのが一般的です。上段に表書き、下段にやや小さめに名前を記入します。記入する名前は贈り主の名前です。お相手の名前ではないので要注意です。文字は全て熨斗や水引にかからないように注意して書きます。
②名前の書き方
a) 個人名の場合
フルネームが原則ですが、目下の方へ贈る場合には姓だけでもOKです。
b) 夫婦連名の場合
まず夫の名前をフルネームで右側に書きます。そして夫の左側に妻の名前を、夫の名前の高さと合わせて記入します。
c) 連名の場合
地位、年齢の高い順に右から記入します。3名以上になる場合代表者一名の名前とその左側に小さく一同と書き、中に地位と年齢の高い順に右から書き入れた紙を添えます。
d) 会社名や肩書を入れる場合
名前を中心に書くので、少し右に小さめに会社名や肩書を記入します。
のし紙の表書きは一番初めにお相手の目に入る部分です。ぜひ正しい知識を身に着けておきたい部分です。
▪カジュアルな贈り物にものし紙はおすすめ
のし紙を掛けるとフォーマルでお堅いイメージになるかなと思われがちですが、カジュアルな贈り物にものし紙を掛けてみるのもおすすめ♪
出典:noshi・note
最近はおしゃれなデザインののし紙もたくさん売っています。普段の贈り物やちょこっとギフトに掛けるだけで特別感あふれるギフトに大変身!喜ばれること間違いなしです♪
▪ぜひ知っておきたい贈り物のマナー
のし紙は贈る相手を想う気持ちを表現するもの。のし紙を掛けることで贈り物に箔が付き、気持ちもより伝わるはず。きちんとマナーを知っていることで、贈り物をするのがもっと楽しくなると思います♪また、年末のお歳暮シーズンではのし紙は必需品。ぜひマナーを覚えてより素敵な贈り物にして下さいね。